日本の炊飯器市場でトップシェアを誇る象印マホービン。その炊飯器を開発する際に試験的に炊飯するごはんを原料にした新感覚のビールが誕生。象印の「ごはんを最後まで大切にしたい」という思いから生まれたサステナブルなビールとして注目されています。
炊飯器開発で余ったごはんを使ったサステナブルなビール
炊飯器を開発する際には、試作機でたくさんのごはんを炊いているという象印マホービン。炊飯試験で食べ切れなかった試験用ごはんは、これまでは堆肥にしていました。
しかし、社内からこのリサイクル方法が「もったいない」という声があがり、新たな価値を加えて別の製品に生まれ変わらせる「アップサイクル(創造的再利用)」に会社を挙げて取り組む中で誕生したのが、炊飯試験で炊いたごはんを副原料にしたビール「ハレと穂」なのです。
「ハレと穂」という商品名は、「ハレの日の乾杯シーンで楽しんでいただきたいビール」「ごはんから造られたビール」であることから名付けられました。
アップサイクルというだけでなく、「おいしい」「食事に合う」といった、ごはんの本質的な価値を生かすよう開発したことも、ごはんを最後までムダにしたくないという象印の「ごはん愛」にあふれる商品です。
ごはん由来のさっぱりドライな後味
米をビールの原料に使うことはそれほど珍しくはありませんが、「ハレと穂」は「炊いたお米」を使用しているのがポイントです。ビール醸造の糖化という工程の際に、冷凍しておいた試験用ごはんを麦芽とともに投入し、製造しているのです。米は糖分を多く含みますが、糖分は酵母が食べてしまうため、たんぱく質や脂質が少なく、さっぱりとドライな後味に仕上がるそう。その味わいは、控えめな苦みで飲みやすく、みずみずしい白ブドウ果汁の香りが口の中にほんのりふわっと広がります。シャンパンのようなシュワシュワとした炭酸感が楽しめる飲み口で、特に和食をはじめ、優しい味付けの料理と相性がいいビールです。
Information
「ハレと穂」と一緒に味わいたい和食
魚の繊細な風味を引き立てるので、すしや刺し身、焼き魚といった魚料理との相性が抜群です。また、さっぱりとした後味は揚げ物の油っぽさを和らげるので、天ぷらや唐揚げをよりおいしく楽しめます。
- 取材協力/象印マホービン
JR東日本
JR東日本ネットステーション - 文/千葉香苗(アド・グリーン)
- ※上記の情報は2025年2月掲載時点のものです。


